雇用を生存の必要条件としてはならない

人間には、自らを試し、鍛えるために、自らの基本的欲求を満たす責任を果たすために、また、自分の参画に満足を得るために、社会の責任ある一員として受け入れられるために、働くことが必要である。このニーズを満たさずに放っておいてはならないし、品位を落とすような仕事で満たしてはならない。同時に雇用を生存の必要条件としてはならない。・・・・必要なのは、あらゆる人々がつくり出す貢献を活用し、支え、仕事や余暇、経済的生産を公正に共有し、一時的にはまた永続的に働けないという理由で人々を見捨てることのない経済システムである。

成長の限界 人類の選択』ヨルゲン・ランダース他・著 枝廣淳子・訳 P333~334